ゼロ・グラビティ

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「批評3」
2013年のアメリカ映画『ゼロ・グラビティ』。宇宙船の事故で宇宙空間に放り出され、奇跡的に地球に帰還できた宇宙飛行士の物語。アイドル的女優だったサンドラ・ブロックがいい感じでおばさんになり、「人間」について熱演している。映画の最後の、彼女が、漂着した浜辺で自分の手で砂に手型をつけ、喜びにあふれ、大昔に両生類の子孫になったといわれる魚のイクティオステガの子孫のような頼りない感じでヨロヨロと立ち上がり、大地を踏みしめて歩くシーン。私はこのシーンに一番感動した。まさに「帰還」。彼女は懐かしい人間の場所に帰ってきたのだ。もう同じ過ちは繰り返せない。人間には「大地」が不可欠。「大地」との親密な関係を発展させる「開発」でない限り、どんな「開発」も無効になってしまう。宇宙開発の場合であれば人間に容赦なく「死」をもたらすという事実を、この映画は見事に暗示してくれている。

© 2015 Tokyo Space Dance