最終の到着地点? / final destination?

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マリインスキーバレー団のロパートキナをテレビで見た。そのダンスは素晴らしかった。超絶的といえるダンステクニックと舞台の構成力が凄い。確かに彼女は世界で一位・二位を競う美しいダンサーかも知れない。しかし、「10分」だけに限れば、チリネも負けてはいない。チリネのダンスには深みがあり、ロパートキナと同じような清廉な美がある。簡単に優劣をつけ難い。ならば、この「10分」を、趣向を変え、間を入れながら、数回繰り返せば舞台は成立する。ロパートキナのダンスには年齢制限があるが、舞踏には年齢と共に成熟を可能にするという特別な力がある。チリネのダンスがロパートキナのような世界的評価を得られなくても、彼女の心にダンスがもたらす「至福な感情」が満ちる限り、それは問題ではない。

問題は、ダンスを愛したチリネが、年齢の壁を超えてダンサーとして成長していけるという事だ。例えば、日本には、舞踏だけではなく、武原はんや井上八千代のような高齢の素晴らしい舞踊家を生み出す地唄舞もある。チリネが、引退の必要もなく、60才になり、80才になり、そのような深みのある美を湛えたダンサーとして成長するならば、それこそが最終の到着地点として素晴らしい。

© 2015 Tokyo Space Dance