月別アーカイブ: 2016年5月

年齢を超えて成熟するダンス

「ダンスの研究6」
私はスペースダンス舞踏家。日本で生まれた舞踏をベースに、ダンス&デザインとしてのスペースダンスを実践していくことが仕事。67才。しかし、踊り始めて10分もすると身体が軽くなり、自分は若いと感じる。それで、年齢を聞かれた時は「宇宙年齢17才」と答えている。

舞踏が現在も海外を中心に発展を続けている最大の理由は、舞踏が「年齢を超えて成熟するダンス」を可能にするからだ。一定の年齢が来ればリタイアを強いられるダンスに「疑問」を感じるダンサーは世界中で増えている。彼らが舞踏の世界に流れ込んでくる。舞踏ではなぜ年齢の壁を超えることができるのか? それは、ダンスに必要なエネルギーを自分の身体が置かれた環境との間で循環させる技術をもつからだ。

使えば終わりが来るエネルギーと、使えば使うほど増殖するエネルギーとの差はとても大きい。過度に鍛え抜かれた身体は必要ない。ただ身体があればいい。生きている限り誰でも身体を持っている。だから、この技術を身につける限り、年齢の壁は易々と超えられる。私の挑戦も120才まで、理想的には170才まで続く。

映画『インターステラー』

「批評4」
クリストファー・ノーラン監督の映画『インターステラー』。リサ・ランドールの余剰宇宙論を絵にしたような作品だ。バリ在住スペースアーティストのリチャード・クラーさんと、私も2000年に『インターステラー・メッセージ・コンポジション』を開始した。しかし、難しくて進展がなかった。だからこの映画は何とも魅力的だ。注目は、主人公が約30年後に娘に再会するために二人にとって懐かしい部屋に戻ってきた場面。父親は時間が伸縮する異次元世界に、娘は私たちと同じ四次元世界に住んでいる。

映画では、二人の世界は部屋の「本棚」を仲介につながっている。父親が背後から本を動かし、小さい時の娘も物理学者として成長した娘も、二人とも「父親」を敏感に感じ取る。最後に、成長した娘が本棚に置かれた時計が「暗号」を刻んでいることに気づく。そして、その暗号を解いて宇宙の秘密を明かす。その秘密とは、二つの世界は同じ空間に同居していて、父親の異次元世界の内部に娘の四次元世界が存在しているという事実。そして、娘は、四次元世界を超えていく人類が「進化」をもたらすという希望を語る。

© 2015 Tokyo Space Dance