月別アーカイブ: 2016年11月

リサ・ランドールの言葉/Words from Lisa Randall

「身体の夢3」
理論物理学者リサ・ランドールの『ワープする宇宙』(NHK出版)からの引用。物理学者がこんなことを考える時代になった。何と喜ばしいことか。

「あるブレーンは私たちのブレーンと平行になっていて、パラレルワールド(並行世界)を内包しているかも知れない。ブレーンとブレーンが交差して、その交差点に粒子がとらわれていることも考えられる」。
もし別のブレーンに生命体がいたとしても、その生き物は全く別の環境に閉じ込められているわけだから、全く違った力を全く違った感覚で感知しているに違いない」。
私たちの感覚は、私たちを取り巻く科学反応と、光と、音を拾うように調整されている。別のブレーンでは基本的な力と粒子が違うはずだから、そこに生き物がいたとしても、私たちのブレーンの生き物とはほとんど共通点がないだろう。必然的に共有される唯一の力は重力だが、その重力でさえ、影響の及ぼし方が違うはずだ」。
いくつかのブレーンワールドについては、シグナルを発見できるかも知れない。発見可能なブレーンワールドとは、私たちの世界の物理的な特徴との関連性をもっているものだ」。
今のところ、多くの可能性のうちどれが本当に正しい宇宙の記述なのかは、あったとしても、わかっていない」。

国際舞踏と「ダンスの後にデザインが生まれる」/International Butoh & Design after Dance

僕はいまサンパウロにいて、こども宇宙ダンスやスペースダンス公演の他に、『バンジェリン、国際舞踏の可能性』と『ダンスの後にデザインが生まれる』をSESC現代美術館・ローリート国際大学・カサダラパで発表する事になっている。ポスターは僕の相棒クリスティーナの夫でビジュアルアーティスト&フィルムディレクターのセザールによるもの。

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国際舞踏と『ダンスの後にデザインが生まれる』は僕の今後にとりとても大切なテーマになる。クリスティーナとセザールとは、2012年にローマの僕のワークショップで出会った。クリスティーナが舞踏を学んだ身体表現の先生であるだけではなく、セザールと一緒に障害をもつ人たちの能力を開発するプロジェクトもやっていて僕と共通点も多いため、彼らが今回の僕の仕事を制作してくれた。

二足歩行の奇跡/Marvel of Biped Walking

「ダンスの研究7」
人間という種族は自分たちが創造した人工物も含めて自身の身体を客体化してきたことで、脳は他の動物には見られない新しい能力を身につけ進化してきた。ダンサーの場合にも、身体を客体として扱い人間的な感情を離れた状態で多様な動きを開発することで、「失われた記憶の回復」が可能になる。ダンサーには「未知の動きの世界」が待っているのである。

僕は、ついつい街を歩いている身障者の歩行に見とれてしまう。その理由も、彼らが「二足歩行の奇跡」を想起させてくれるからだ。彼らにとっては歩行が困難なために一歩一歩の歩行に集中しているにすぎないとしても、僕には別の光景に見える。その意味で、健常者による通常の歩行は退屈だ。ファッションモデルの動きも人間世界に通用するだけ。多くの現代ダンスは人間世界の新しい物語の発掘に熱心だが、舞踏から発展したスペースダンスは違う。「失われた記憶の回復」と「未知な動きの世界の開発」を主なテーマのひとつとして続けている。

アンナ/Anna

ワルシャワの僕のワークショップの参加者たちの内、特に素晴らしかったのがサーカス系ダンサーのアンナ。アーティストであり、心理学療法士でありPCコンサルタントとしても働いている。そして、僕が好きな自閉症の大学教授テンプル・グランディンについてもよく知っていた。スペースチューブが自閉症のこども達にも有効である事に、自分事のように関心を示していた。それで意気投合し、来年春のイベント参加も含めて2週間日本に来るように招待できた。

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アンナを素晴らしいと思うのは、ダンスがいいのは勿論だが、美少女という特権に甘える様子もなく、知的好奇心が旺盛で、アートからサイエンスまで引き出しがとても広いことだ。写真撮影でも、欧米のアーティストには裸も第二の衣装という認識もあるためか、裸の写真も問題なかった。自分でも裸の美しい作品を沢山つくっている。こんな女性が晩年に豊かなお婆さんになることは間違いない。来日すれば彼女の『Spiritual Journey』を制作することになっている。来年の春が楽しみだ。

© 2015 Tokyo Space Dance